日本人で高い感染率
日本人で高い感染率
ピロリ菌の感染率(人口の何%の人が感染しているか)は国によってずいぶん違います。大まかに言えば、発展途上国で高く、先進国で低くなっています。特に上下水道の普及率の悪い所で高いとされています。
また、同じ国の人でも経済状態によって感染率が変わってきます。アメリカの白人の調査では年収が高い人の方が低い人よりも感染率が低いという結果が出ています。
そのような中で、実は日本人のピロリ菌感染率は先進国の中で際立って高いのです。
1986年に日本で行われた調査では、40歳以上では発展途上国型、40歳以下では先進国型の感染率を示しています。これは、当時40歳以上の方は戦後の衛生状態が悪い時代に生まれ育ったため、このような高い感染率を示したと考えられています。1998年の調査ではそのグラフが右に移動した形になっており、日本でも、衛生状態の良い環境に育った若い人たちの感染率は低くなっていることが示されています。